M12. 天使達の歌 (JIGGER’S SON live ver.)

 
【recording data】
word & music 坂本サトル
recorded at Shibuya duo MUSIC EXCHANGE (2017 東京都渋谷区)
坂本サトル:vocal, acoustic guitar
渡辺洋一:electric guitar
坂本昌人:bass, chorus
鈴木慎也:drums
佐藤達哉:keyboard
 
 
【坂本サトルによるセルフライナーノーツ】 
現状、坂本サトルの代表曲のこの曲をJIGGER’S SONで演奏する事を複雑な思いで聴いている方もいるかも知れない。
この曲がリリースから18年を経てJIGGER’S SONで演奏され、それが今回のアルバムに収録されるに至った経緯を説明する。
話しは2016年12月に戻る。僕がプロデュースを担当しているパクスプエラという5人組の女の子たちと対バンでライブをやることになった。僕のライブはもちろん、パクスプエラのバックバンドもサトルバンドがやることになっていて、そのメンバーとして慎也に声をかけた。出演を快諾してくれた慎也は「普段そんなにドラムは叩いていない」というのが信じられないクオリティでそのステージをやってのけた。パクスプエラの曲6曲に僕の曲が5曲。その中に「天使達の歌」も含まれていたわけだが、そのライブの打ち上げの席で慎也がこんな話しをしてくれたのだ。
「サトルさんが『天使達の歌』を出した時、『この曲を俺たちは演奏できないのか。悔しいなあ』って渡辺さんと話したんですよ」
あれからもうすぐ18年が経とうとするその夜に、初めて聞いた話しだった。
その時の気持ちは一言では言い表せない。嬉しさと申し訳なさ、懐かしさと悔しさがグルグルと押し寄せて、僕は「そうだったのかー」としか言えなかった。その時に考えたのだ。そういう事だったのならば、いつか天使達の歌をJIGGER’S SONで演奏したい。
その半年後の2017年6月に僕のデビュー25周年&生誕50周年記念ライブ、というのを渋谷で開催した。25年間の音楽生活を総括すべく、多くの友人達がゲスト出演してくれて盛大にお祝いをしてもらったのだが、その最後のゲストとしてJIGGER’S SONで演奏をした。
「最後のゲストにJIGGER’S SONを」と思いついたときに同時に思ったのだ。「JIGGER’S SONによる『天使達の歌』をやるならこの日だろう」と。
マットはなんだかんだと結局この10数年、毎年何度かこの曲でベースを弾いてきたし、慎也もついに叩いてくれた。あとは渡辺さんがOKすればいける。ある夜、意を決して渡辺さんに電話でこの話しをすると、あっさりと「いいよ!でも俺に弾ける?」と言ってくれた。フーっと肩のチカラが抜ける。もちろん弾ける。弾けるに決まってるけど別に弾けなくてもいい。あの曲を歌ってる時にステージにいてくれればそれでいい。(もちろんちゃんと弾けました)
19年ぶりのJIGGER’S SONニューアルバム(このアルバムのことです)の選曲時、慎也が「『天使達の歌』は入れないんですか?」と言ってきた。あまりに意外すぎる展開。それはさすがにないでしょう…と思っているとみんなは「いいんじゃない?」と。そういう事なら僕ら的には歴史的瞬間だったあのライブバージョンをボーナストラックとして入れようか…。
このアルバムを聴いた誰かに「何で最後に『天使達の歌』なの?」と尋ねられたらぜひこの話をしてあげて下さい。
元々、リリースするつもりはなかったのでちゃんとレコーディングしていなかったため、記録用に撮っておいたムービーの音源とPA卓からのラインアウトを使って渡辺正人氏が臨場感溢れるミックスに仕上げてくれた。


 
【坂本昌人】 
この4人で演奏すると当然のようにしっくりきますね。

 
【鈴木慎也】
この曲やりたかった!だって良い曲だから!

 
【渡辺洋一】
まさか!あの日のあの演奏が、アルバムに入るとは。