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  •  ●ライナーノーツ



    この度、ライナーノーツ執筆のご指名に与りました、森山です。予期しない大役にプレッシャーを感じながらも、
    ちょっぴり嬉しいです。
    何を隠そう実はワタクシ、膨大なレコード解説文を読破/分析してきた、隠れライターオタクなのです。

    中でも好きなスタイルが2つあって、

    その1:内容に触れず、自分の事ばっかし書いて、強引に関連づけて終了、の私小説パターン。

    その2:少ない字数を物ともせず、全曲を細かにフォローしていく、いわゆる攻略本型。

    今回はブックレット片手に作品を味わえる後者でいってみようと思います。

    では、スタート、、、、、、、、、、、いや、ストップ!

    まずは予備知識なしで、この冊子を閉じて、一通り聞いてみてください。それが音楽の本当の楽しみ方ですから。



    聞いた? 良かったよね~。

    では、再生ボタンをもう一度押して、収録曲を順を追って見ていきましょう。



    M1「音速を超えて」はアルバム冒頭を飾るに相応しい爽やかなPOPナンバー。肩の力がいい具合に抜けた自然体で披露される
    “サトルのStarting Over宣言!?”
    配信限定先行シングルとしてリリースされたM2「1日に例えるなら」。弾き語り男のイメージが強いサトルさんですが、
    ご存知の方も多い様に、元々はバンドのヴォーカリスト。こうゆうR&Rはお手の物なのです。

    一転してダークな雰囲気漂うM3「ループ」。マイナー調メロディーも坂本サトルの真骨頂。詞と曲の一体感が見事です。
    それにしても、何から追われてたんですか、一体?

    我らが浅森坂によるハーモニーがフィーチャリングされたM4「何も知らなかったよ」は一本の映画の様な作品。ヴェンダースが
    撮ったロードムービーのサントラに入っててもおかしくないよね。こんなアメリカーナ感、大好きです。
    続く「君と歌ううた」はRAB(青森放送)のラジオ番組、チャリティーミュージックソンから生まれ、08年11月に地域限定でCD
    発売されたファンにはお馴染みの楽曲。
    番組スタッフも参加したこの壮大なバラードで、アルバムはひとつのハイライトを迎えます。

    芝居でいうと、ここで第一幕が終わる感じですね。トイレ行ったり、何か飲んだりのタイミングだぞ。

    再び開演のブザーが鳴りM6「うるる」。盟友のケーナ/サンポーニャ奏者、瀬木貴将さんを迎えてのフォルクローレ風仕上がり。
    この曲のみ4年前にレコーディングしていたものに手を加えたので全体の中では若干異質との事ですが、聞いてるこちらは流れが
    良いので全く気になりません。
    Fromアンデス toダブリン。U2的サウンドプロダクションの中、失った人への想いを力強く歌い上げるM7「君に会いたい」
    過ぎ去りし日々の情景がありありと目に浮かびます。



    M8「気にしないぜ」には大物ハリウッドスター、○ディー○ーフィーが参加? これまたサトルさんの大親友、山寺宏一さんが
    “あの”吹き替え声で、派手なモッズナンバーに華を添えます。
    ダンサブルなM9「旅の衆」。「脇目もふらずに来たならば 脇道ばかりが気になるよ」。ええフレーズやなぁ~。
    ツアーに明け暮れる自身の事を歌ってる様に見せかけて、実はダブルミーニング的に哲学に踏み込んだ歌詞が秀逸。

    2人きりでツアーを回ったこともある日本屈指のギタリスト、古川昌義さんとのデュオで奏でられる切なく美しい小品


    M10「土手に座って」
    音で言葉を交わし合う、ふたりの息の合ったプレイをご堪能ください。

    アコーディオンが印象的なM11「また会える日まで」はハッピーなモータウン調ナンバー。リズム隊のゴキゲンな演奏が陽気に
    エンディングを盛り上げます。
    「…えっ、エンディング? もう一曲あるんですけどー。」

    ですよね。これは僕の勝手な解釈なので、各々で判断していただければと思うんですが、タイトルが示唆してしまった様に本作は
    この曲がラストで、続く「僕が生まれた理由」は豪華なボーナストラックとして楽しむ方が個人的にはしっくりくる気がしました。
    終演後に役者さんが出てきて挨拶する感じをイメージしていただけると。

    元々CMソングとして書き下ろされたという「僕が~」。加藤いづみさん、松本英子さん他、サトルチーム総動員で送る大合唱が
    胸を打ちます。
    全編にわたって抜け目のない編曲を聞かせてくれたプロデューサー、石崎光くんのストリングスアレンジも素晴らしい!

    いや~、全12曲、あっという間でしたね。書き連ねていくうちに何度か舞台に例えてしまいましたが、
    60年代後半から、良いアルバムというのは、必ずひとつの物語を持っていたものです。
    『1:25 PM』には確実にストーリーがあります。シングルの寄せ集めや、やたらと同じ曲調がつづく昨今のJ-POPシーンにおいて、
    こんなにコンセプチュアルで気持ちのこもった作品は本当に貴重です。
    アルバムを手にされた皆さんも、使い捨てじゃない純真な音楽を是非じっくりと味わってください。

    Always Look On The Bright Side of Life !



    午前11時12分くらいの森山公一(The Ma’am / 浅森坂)





     *森山公一…1973年12月11日大阪市生まれ。大学時代に結成したバンド「オセロケッツ」のソングライター/ヴォーカリストとして
      97年にメジャーデビュー。以降シングル10枚、アルバム3枚をリリース。ソロ名義のシングルも2枚発表している。
      他アーティストへの楽曲提供、プロデュース、マニアックな執筆活動など、幅広い分野で活躍。
      06年にはカントリーロックバンド「The Ma'am」を結成、国内のカントリー界の若手筆頭として活躍中。
      2004年、坂本サトル主催のイベント出演時に坂本、元スマイルの浅田信一と共にゆるゆるユニット「浅森坂」結成。2007年12月、
      まさかのアルバムデビューを飾る。LinkIcon森山公一のブログ